GRAPEVINE@横浜ブリッツ

 えらそうなことをいっているので、しかも滅茶苦茶個人的なことを書いているので、本当にバインを好きな人は読まない方がイイかもです。
 今日のライブ*1は私の呪縛を解いてくれたんじゃないだろうか。
 呪縛とは、最初にみた新宿リキッドルームの衝撃だ。何がすごかったかなんて、どんな音を鳴らしていたかなんて、もうとっくに忘れてしまっているのに。けどあの時、何かが私に魔法をかけてしまった。「お前の大好きなGRAPEVINEはこういうものだ」という、固定観念。私はそれからずっと、その「何か」を求め続けていたようだ。重くて苦しくて、心にずしんとくる何か。うまく説明することなんてできないけど、バインならそれをきっとまた見せてくれる。高校生の私は信じていた。
 しかし逆らうようにフロントマンは客へオープンになっていった。苛立つ私。あの時のバインじゃないから。何故それがうれしい?しまいには客にまで悪態をつくようになった。リーダーの休養をきっかけにそれは落ち着いたように思えた*2
 だからか知らないが、自覚ができるようになってからのグレイプとの関係はかなり落ち着いたものになった。あまり期待するな。その場にある音を精一杯楽しめ。そう思えるようになってから私の心にも、グレイプの音にも少しずつ変化が出てきた気がする。「パブロフ〜」あたりから見せつけるようになった、的確な、攻める音。リーダー関連の問題が解決するあたりから出てきた、自分達のやりたい音の再現。
 だんだん、楽しみにしていても裏切られなくなった。セットリストや何かを意識しすぎていた自分に気がついた。だんだん期待をしてもだまされたと思うことはなくなった。こんなとこはしょうがないけどここがよかったよーと素直にニコニコしていられるようになった。毎回、安定して見られるようになっていた。
 そしてなんだ今日のあれは。まるでハリケーンよりも核爆弾よりももっと恐ろしい、すごい何かじゃないか。
 とにかく、今のGRAPEVINEはすごいことになっている。最初に見せていた閉塞感−空気が止まってしまいそうな、重くけだるい、けれども愛おしい空間−はもうないけれど。外に向かって攻めているのだ。一見そんなふうに見せていないのに。だから油断させておいてどかんとくる。心を捕えて離さない。やばいよ。また始まってしまうかも。ヲタだけの音じゃないよ−これは。もっと評価されていいはずだよ。

セットリスト(多分、ね)
13/0.9 Reverb シスター いけすかない 少年 それを魔法と呼ぶのなら 放浪フリーク Goodbyemyworld リアリティ Metamorphose REW VIRUS KINGDOMCOME 公園まで 100cc ポリゴンのクライスト アダバナ アンチ・ハレルヤ lamb その未来 GRAVEYARD
アンコール SUN BREAKTHROUGH ミスフライハイ スカイライン

*1:とりわけVIRUS〜KINGDOM COMEの並び

*2:バンドは変わりゆくものだ、などと思えるようになったのか?うーむ